伊澤の牧場〜アンチフォーム交友録〜

行き場のない言葉達を放牧しています。勝手に書く。

蓮沼執太&ユザーン『スパイラル・セッション』(感想メモ)

 スパイラルホールの薄暗い明かりの中にスモークがうっすらと炊かれ、2人の奏者の顔を柔らかな光が照らし出している。徐々にタブラの音が聞こえ始め、そこにピアノの音が少しずつ被さっていく。蓮沼は、ピアノなどの楽器のほか、ドライヤー、水なども音源として使用していて、環境音と楽音が入り混じった幻想的な体験をすることができた。ユザーンの演奏するタブラは複雑で軽快な音を奏で、蓮沼の奏でる音に時折呼応しながら一定のリズムを紡いでいく。音楽について何かを書くのは難しい。ひとえに音楽が形式的でエモーショナルなものだからかもしれない。単なるファン批評で終わってしまうことの方が多い。もう少しきちんと聴いてみないといけないかな。