伊澤の牧場〜アンチフォーム交友録〜

行き場のない言葉達を放牧しています。勝手に書く。

話すテンポが違うということ

「気が合う」と他者に対して判断する際に、何が基準になるのだろうか?

自分にとって、話すテンポが全く違う人間が同じ空間にいることは、少なからず負荷がかかる要因になる。ここで言う「テンポ」は、〈発話の時間的な長さ〉のことなんだけど、僕は比較的短い時間で多くの発語をする人間を好む傾向にある。

僕は人より早口な方だし、スピードを上げると会話のハンドルをなかなか手放さないところがある。最近は、ブレーキをこまめにかけるようにしているんだけど、車線変更が多いせいで困ってる人がいないか心配だ。

ハンドルはほとんど壊れていて、めいっぱい回してもなかなか曲がってくれない。そのくせ、一度曲がり出すと止まらないところがあるので大変だ笑

ともあれ、僕が話しやすいと感じるのは、比較的話すスピードが速い人間であり、話題に対する切り返しが素早い人である。もちろん全てロジカルに行う必要はないし、多少の飛躍はお互い許容できることが前提だ。

ただし、聞いていて心地良いと思える声の波長に関してはスピードは全く問題にならない。

こういった自己分析は案外役に立つからバカにできない。

かつて自分はラジオパーソナリティのように沈黙を嫌う癖があり、無口な人や話すスピードが遅い人が目の前にいると間を埋めるために喋りまくり相手と自分を疲れてさせてしまうところがあった。

数年前から話し相手から免停を喰らわないように調整を頑張っているし、相手の空気感をかなり意識している。違和感のないコミュニケーションは技術的な修練によって獲得できる(当たり前のことだけど)。

 

また、話し相手が使う言葉の選び方や感触(感情がどのように言葉に乗っているか)も「気が合う」かどうかの大きな判断基準となる。これは気持ち良い悪いといった主観的な感覚の問題になるので合わない人は永久に合わないだろう。

話す内容も重要だが、他者と対話していく中で感じた微妙な違和感を意識することそ重要だ。

技術的な修練があっても取り繕えないノイズのような部分を拾うこと。

発話するそれぞれの身体感覚を相対化していくことで初めてわかることもある。