伊澤の牧場〜アンチフォーム交友録〜

行き場のない言葉達を放牧しています。勝手に書く。

2021-01-01から1年間の記事一覧

森博嗣作品と僕

森博嗣の文体は乾いている。熱っぽくも湿っぽくもない。ただひたすらに冷静かつ簡潔で美しい。そして論理的かつ明示的でユーモアもある。最近、僕の書くテキストも森博嗣の文章を手本にしたいと考えている。 森は、もともと名古屋大学工学部建築学科の材料工…

日常的空間で演劇を行うことについて少しぽやぽやと考えてしまったーー『ぶれる境界』を見て

先程、北千住BUoYで演劇作品『ぶれる境界』を見てきた。ほとんど見返さずに勢いで感想を書いてみる。 これは僕の経験。関係者の方々は1人の人間の戯言として読んでいただければ。 本公演はカフェ内部での公演であり、物語の冒頭シーンもカフェから始まる。つ…

牧場エッセイ-人生はいつだってボディブロー。あなた、今日の夕飯はシューカツよ(四国篇)。

四国行きは就活のために唐突に決定した。ああ、面倒だ。ため息がマスクの繊維を僅かに振るわせる。どーしてわざわざ四国くんだりに今の時期に行かねばならないのか。某県や某市の試験は都内でもやってくれたんだけどなあ、などと小声でぶつくさ呪詛を唱えて…

日記

今日は家にずっといた。友人の誕生パーティーから帰ってきて書くべきものを一つ終えた。最近寝不足だったので、ほとんど爆睡していたような1日だった。Aokidさんの話を聴く。ものを触ること、ものと関わることによって少しずつ風景が変わり都市の見え方も変…

研究ノート1

今日からまた研究を再開する。 「問い」 戦後美術の中で実験工房はメディア・アートの先駆的な存在として位置づけられている(誰に?)が、そもそも実験工房とはどのような存在だったのか?次週はそういった発表にしようと思う。この運動体の面白さは前提とし…

最近のこと05/10

頭痛がする。酷い頭痛だ。 喘息。自らの意思と関係なく咳が出る。持病だ。いつも毎年この時期に発症する。ただ、最近、急に酷くなった。気道が明らかに狭くなっていることがわかる。食欲がなくなり、体力が落ちた。先日、バイトに出向いたが、目眩と頭痛で立…

蓮沼執太フィル『◯→◯』

今、オーチャードホールからの帰り道にあるネットカフェで足の裏を痺れさせながらこの文章を書いている。最近、見たというだけで満足してしまって文章を書かないのが怠惰すぎるなぁと自分に嫌気がさしている。だから少しでも早く感想を書き記すことを心がけ…

velvetsun village《田上碧 guest 岡千穂》ライブ配信感想

先日、2人のライブを配信で見た。田上さんとオカチホさんのライブは個別でみたことがあったが、2人でのライブは初めて見たかもしれない。田上さんのパフォーマンスは、「弾き語り」だった。弾きながら語り、語りつつ歌う。米澤一平さんとのセッションを見に…

『忘れる滝の家』観劇メモ

アトリエ春風舎という場所に初めて行った。舞台が地下にあるというだけで秘密基地のように思われてワクワクした。 照明が落ちると、フードを被った謎の人物が登場した。謎の人物は手を叩き、物語の始まりを告げた。次第に異なる2つの空間が立ち上がってくる…

不安

このところ、修論を書き進めている。しかし、昨日は一行も書けなかった。書く時間はあったが書けなかった。こんな日が断続的に訪れる。正直、ギリギリだ。毎日自己嫌悪に陥る。院生になった時(もう2年前のことになる)、指導教員N氏に、開口一番「お前は文章…

『TWO - in transit Hara Museum』—原美術館閉館に際して—

原美術館が閉館した。1/11日のことだった。思い入れのある美術館が閉まるので、つい感傷的になってしまう。原美術館閉館の日、僕は『TWO - in transit Hara Museum』という映画を見ていた。40分ほどのごく短いもので、館内でパフォーマンスを行う森山未来と…

普通の日記

この世界には、早足で歩かなければならないリズムが、まるで通奏低音のように流れている。それはふとした瞬間に、BPM高めで僕たちの前に現れる。それは悲しいけどどうしようもないことで。小さい頃、父に着れられて東京に初めて来た時、ひっきりなしに電車か…