伊澤の牧場〜アンチフォーム交友録〜

行き場のない言葉達を放牧しています。勝手に書く。

美術

ダニエル・ホール「それはそれであるということ?」展を見ての感想

少し前になるが、11/26にJUNGLE GYMという東十条駅から徒歩で行ける住宅街の最中にある場所で展覧会を見た。そのことを少し書く。 正直行って、この展覧会に入った初見の人間は、アレナスの著書よろしく「なぜこれがアートなの?」と当惑するに違いない。 た…

「Neuron 」Aaron Lam Kwok-yam とArt Center Ongoingでのほろ酔いだべり

吉祥寺のArt Center Ongoingにて「Neuron」という展示を見た。発光するオブジェと室内を循環するウィスキーによってインスタレーションとして面白い空間になっていたが、おそらく、この場所でしか実現し得なかったものだろう。 オンゴーイングの外観は、およ…

下関・北九州滞在期①「ベラミ山荘の怪」

下関で仕事をはじめてから長らくブログをサボってしまっていた。元来の不出不精ならぬ筆不精が祟ったからであり、言葉の放牧を怠っていたこと、ご容赦願いたい。これからは少しずつ更新していきたい所存だ。 何せ、見たものと書いたものの数が偏りがちになる…

貴重な一次資料のオンパレード〜「山口勝弘展 『日記』(1945-1955)に見る」

神奈川県立近代美術館鎌倉別館にて、「山口勝弘展 『日記』(1945-1955)に見る」を見た。本展覧会は、1945年から1955年までの間に書かれた18冊の日記を手がかりに、山口の初期作品を展示するものである。山口の日記は「ノスタル爺やの思い出」と書かれた箱…

「ノイズと記憶に関する一考察」 日本美術サウンドアーカイヴ 2018 年1 月 7 日—4 月14 日 資料展 会期:平成三十年六月二十五日—六月二十九日  東京藝術大学にて  

「ノイズと記憶に関する一考察」 日本美術サウンドアーカイヴ 2018 年1 月 7 日—4 月14 日 資料展 会期:平成三十年六月二十五日—六月二十九日 東京藝術大学にて この展覧会は視覚資料を中心とする美術史の中で失わ れてきてしまった音の情報に対してアクセ…

「彫刻の自立性」 揺さぶられる作為 府中市美術館市民ギャラリー 会期:平成三十年六月十二日—六月二十四日

「彫刻の自立性」 揺さぶられる作為 府中市美術館市民ギャラリー 会期:平成三十年六月十二日—六月二十四日 本展示は武蔵美大学院の芸術文化制作コースと彫刻専 攻のコースの学生が共同で行った展示である。彫刻専攻 の各学生は作品を制作する上で重要なコン…

「メディアは人々から何を奪ったか?」 水戸芸術館 ハローワールド ポストヒューマン時代 に向けて 平成三十年二月十日—五月六日

「メディアは人々から何を奪ったか?」 水戸芸術館 ハローワールド ポストヒューマン時代 に向けて 平成三十年二月十日—五月六日 「メディアはメッセージである」 あまりにも有名なマクルーハンのこの言葉によって、 人間拡張の原理によるメディア論の展開は…

「経験と記憶の体感温度」 東京都写真美術館 無垢と経験の写真 日本の新進作家vol.14 平成二十九年十二月二日—平成三十年一月二十八日

「経験と記憶の体感温度」 東京都写真美術館 無垢と経験の写真 日本の新進作 家vol.14 平成二十九年十二月二日—平成三十年一月二十八日 過去があって現在があり、現在によって未来が作られる。時間軸が一方向にしか進まない以上、それは自明 のことである。…