伊澤の牧場〜アンチフォーム交友録〜

行き場のない言葉達を放牧しています。勝手に書く。

役に立つとか立たないとか

今日は家から一歩も出なかった。論文の「はじめに」を少しだけ書く。8/5に指導教員に見せないといけないので急ピッチで進めていく。作家論というよりも、作品についての事例研究になると思う。8月末と10月初頭に口頭発表がある。頑張らねばならない。誰かに…

6/20日配信平沢進+会人(EJIN) <Streaming>『会然TREK 2K20▼04 GHOST VENUE』

一つ断っておくが、私は平沢進をほとんど知らない。また、音楽の専門家でもない。しかし、ほとんど知らないだけに新鮮な驚きを持って感動することができた。その上で書こうと思う。 暗闇の中からテスラコイル(高電圧発生モジュール)が現れて明滅する。ここか…

蓮沼執太&ユザーン『スパイラル・セッション』(感想メモ)

スパイラルホールの薄暗い明かりの中にスモークがうっすらと炊かれ、2人の奏者の顔を柔らかな光が照らし出している。徐々にタブラの音が聞こえ始め、そこにピアノの音が少しずつ被さっていく。蓮沼は、ピアノなどの楽器のほか、ドライヤー、水なども音源と…

ロロ『ちかくに2 つのたのしい窓』1話 感想

今だからできるZOOM演劇の一つ。登場人物は村田秋乃(亀島一徳)と川岸風太(篠崎大悟)。 物語は、川岸がZOOMを開き、スマホの画面を調整するところから始まる。 CMソングを鼻歌まじりに歌いながら画面外へ消える 川岸。 ここで面白いのは、声はクリアに聞…

書評 山本浩貴『現代美術史——欧米、日本、トランスナショナル』

はじめに 日本語で読むことができる現代美術史の概説書は少ない。針生一郎による『戦後美術盛衰史』や千葉茂夫による『現代美術逸脱史』など日本の戦後美術に関する書籍は何冊かあるが、欧米諸国やアジアの動向も踏まえた包括的な現代美術史の資料には乏しい…

「ノイズと記憶に関する一考察」 日本美術サウンドアーカイヴ 2018 年1 月 7 日—4 月14 日 資料展 会期:平成三十年六月二十五日—六月二十九日  東京藝術大学にて  

「ノイズと記憶に関する一考察」 日本美術サウンドアーカイヴ 2018 年1 月 7 日—4 月14 日 資料展 会期:平成三十年六月二十五日—六月二十九日 東京藝術大学にて この展覧会は視覚資料を中心とする美術史の中で失わ れてきてしまった音の情報に対してアクセ…

「彫刻の自立性」 揺さぶられる作為 府中市美術館市民ギャラリー 会期:平成三十年六月十二日—六月二十四日

「彫刻の自立性」 揺さぶられる作為 府中市美術館市民ギャラリー 会期:平成三十年六月十二日—六月二十四日 本展示は武蔵美大学院の芸術文化制作コースと彫刻専 攻のコースの学生が共同で行った展示である。彫刻専攻 の各学生は作品を制作する上で重要なコン…

「メディアは人々から何を奪ったか?」 水戸芸術館 ハローワールド ポストヒューマン時代 に向けて 平成三十年二月十日—五月六日

「メディアは人々から何を奪ったか?」 水戸芸術館 ハローワールド ポストヒューマン時代 に向けて 平成三十年二月十日—五月六日 「メディアはメッセージである」 あまりにも有名なマクルーハンのこの言葉によって、 人間拡張の原理によるメディア論の展開は…

「経験と記憶の体感温度」 東京都写真美術館 無垢と経験の写真 日本の新進作家vol.14 平成二十九年十二月二日—平成三十年一月二十八日

「経験と記憶の体感温度」 東京都写真美術館 無垢と経験の写真 日本の新進作 家vol.14 平成二十九年十二月二日—平成三十年一月二十八日 過去があって現在があり、現在によって未来が作られる。時間軸が一方向にしか進まない以上、それは自明 のことである。…